輸入販売事業をおこなう際、どのような形で進めればいいでしょうか。
家電・電気機器などの電気製品を中国工場にて生産・輸入すると仮定した場合の大まかな流れは以下のとおりです。
①海外メーカーから商品選定
②サンプル輸入
③商品検証・解析
④改善・修正依頼
⑤改善サンプル入手
⑥仕様書の作成
⑦各種認証の取得
⑧取引条件の交渉
⑨工場との契約書締結
⑩発注
⑪生産
⑫輸入書類準備
⑬輸入
この流れは製品によって多少異なりますが、基本的には上記の手順をたどることになります。
手順の多さと難解さから、特に電気用品に関しては新規参入者にはどうしたら良いか右も左も分からないほど、非常にハードルが高くなっています。
当事務所では電気用品輸入に関する不明点や法規制を解説・相談・対策提案などのノウハウ提供を行うコンサルティングサービスと、それぞれの実務を代行する個別実務サポートにより、御社の一員となって問題解決にあたります。
基本的には上記で示した流れの中の項目全てが当事務所でサポート可能な範囲です。
実際にはイレギュラーの発生や商品の性質ごとにタスク内容は変わりますが、詳細についてはご相談いただいた際に解決策のご提案をさせていただきます。
上記で示した各項目について下記により詳しく記載します。当事務所へ委託いただくメリットも併記いたします。
①海外メーカーから商品選定、②サンプル輸入
「このメーカーのこの商品を輸入したい」と明確に決まっている場合を除き、基本的には欲しい商品の抽象的なイメージから該当製品を製造しているメーカーを探したり、設計・製造をしてくれるメーカーや工場を探すことになります。
海外の展示会に行ったり、メーカーとのマッチングサイトを利用したりと該当メーカーを探す手段は複数ありますが、外国ということもあり一筋縄では行きません。
👇委託のメリット
当事務所では「こんな商品がほしい」という抽象的なご依頼でも、製品や製造工場探しから代行できます。長年培った中国工場とのコネクションもあり、多面的にアプローチをかけることが可能です。
③商品検証・解析
非家電製品であればそれほど難しくはないですが、電気製品となると品質不良は故障や事故の原因となります。そのためサンプルを入手したら動作検証や分解しての構造解析等を行い、商品の品質に問題がないか確認しておくことをお勧めします。
しかしながら電機製品の内部確認も知見がないと簡単ではありません。その場合、外部の検査機関等でサンプルの品質解析等を依頼する必要が出てきます。
👇委託のメリット
当事務所では第三者試験機関への製品解析依頼を代行します。
品質の確認は、製品生産に向けて進むかどうかを見極める大事な要素であるため、PSE認証試験とは別にサンプル入手段階で品質確認を行っておくと安心です。不備があれば工場にフィードバックして改善させることもできます。(PSE認証の合否を事前に確認するものではありません)
④商品改善・修正依頼、⑤改善サンプル入手
商品の品質検証を行い改善すべき点がある場合、工場に対してその修正を依頼します。そして修正が完了したらその改善されたサンプルを入手し、修正が的確に行われているかの品質検証を再度行います。この工程を製品品質が十分になるまで繰り返します。
ただ、この品質面に関しては海外と日本の文化や感覚の違いが大きく出てくる場面です。例えば経験上、中国では傷や汚れ、成形の歪み、機器内部の雑然さなどが多少あっても動けばいい、使えればいいという感覚が強いように思います。もちろん日本では新品の製品の傷や汚れは不良品にあたるため、確実に改善しておきたい部分です。工場への品質改善依頼において、この感覚の違いを埋めていく交渉や折衝が大変重荷となる場面です。
👇委託のメリット
当事務所では「③商品検証・解析」と合わせて改善・修正依頼の折衝も請け負います。このような内容の交渉に慣れている・いないの差が大きな結果の違いに結びつくこともあるため、直接の交渉がご不安な場合はぜひご相談ください。
⑥仕様書の作成
工場から提供された基本的な製品仕様書に、日本仕様に品質修正された点等の情報を上乗せして盛り込む形で、量産にあたっての確定仕様書を作成します。これを作成し工場側と共有することで、実際に生産される量産品に修正点や事前の交渉で決めた点が反映されない等のリスクを防止し、また輸入後の流通時に取引先等に情報提供を求められた場合にも自信を持って対応することができます。
👇委託のメリット
当事務所で必要な情報を取りまとめ、仕様書の作成を代行できます。また、工場側とのやりとりや仕様書共有等までお任せいただくことも可能です。
⑦各種認証の取得
電気製品においては電気用品安全法に基づくPSE認証、消費生活用製品安全法に基づくPSC認証、Wi-fiやbluetooth等の無線電波を使用する機器には電波法による無線電波試験、口に触れる製品では輸入食品検査、医薬品医療機器等法に基づく登録申請等…、製品によって様々な法規制と必要な認証や書類が存在します。家電製品を輸入販売する上で、最大の参入障壁となるのがこの認証関係で、多くの会社様が製品の輸入や取扱を諦める原因となり、またコンサルや代行の相談が多い部分となっています。
この商品にはどの規制が適用され何の認証を取得すればいいか、その認証はどのように試験すればいいのか、どこに依頼すればいいのか…。調べれば調べるほど迷い込んでしまう場面です。
非家電製品においても製品によって輸入食品検査等が必要な場合もあり、的確な知識と情報収集力が必要となります。
👇委託のメリット
当事務所では商品の情報から該当する規制や認証等を確認し、その認証試験手続きの代行や検査依頼の代行を行っています(実際に試験等を行うのは検査機関になります)。難解で困難な認証関係ですが、クリアできれば輸入・販売へ大きく道が開けますので、お悩みでしたらぜひ一度ご相談ください。
⑧取引条件の交渉、⑨工場との契約書締結
製品の発注に向けてある程度準備が整い量産に進むと決めた段階で、支払い方法や支払い時期などの条件、輸送の方法や条件、不具合があった場合の製品保証等の内容について交渉の上決定し、売買契約書を締結しておくことをお勧めします。契約書がなくても取引自体はできますが、万が一の場合に備えてしっかりと準備しておくのが良いでしょう。
契約書は英語が基本となり、また条件の折り合いが付かない場合の交渉や落とし所の模索など、ハードルが高い業務です。
👇委託のメリット
当事務所では法務のプロである行政書士が条件交渉や契約書締結までの交渉を代行可能です。多数のメーカー、工場と取引契約を締結をしてきた経験がございます。
⑩発注、⑪生産
すべての準備が整ったら、工場に発注し、生産に入ります。重要なのが生産時の管理・監督です。製品サンプルで検証・解析・修正を繰り返して十分なものができても、量産時に反映されていなかったり傷や汚れが多かったりすると、せっかく輸入した製品が不良品と判断されてしまうリスクがあります。そのため可能であれば輸入者側のスタッフが工場の生産ラインに同行し、管理・監視・監督を行って適宜製品を検品して状況に応じ随時対応していくのが理想です。
👇委託のメリット
当事務所では生産管理の代行業務は行っていませんが、ご希望の場合中国現地の第三者品質管理会社を使った生産管理や生産ラインでの抜き取り検査、出荷前検査等の生産管理の手配を代行いたします。工場の性質によっては生産管理をする・しないで製品の品質が大きく異なる場合も多いため、第三者品質管理会社のご利用をお勧めします。
なお発注業務についても輸入実務代行のひとつとして、もちろん当方で請け負います。
⑫輸入書類準備、⑬輸入
製品の生産が完了したら日本の指定倉庫へ納品するため、輸入業務を行います。工場と綿密にやり取りしながら貿易書類を整え、指定物流業者と連携しながら円滑に輸入を進める必要があります。製品ごとに通関時に必要な書類も異なるため、正確に実務を進めないと日本の港まで届いたものの通関が大幅に遅延したり、最悪出荷国へ返送しなければならない場合もあります。
👇委託のメリット
当事務所では輸入実務代行を行っておりますので、お客様、工場、物流会社と緊密に連携しながら指定納品先へ配送を進めてまいります。すでにお客様がご利用の国際物流業者をそのまま利用したり、当事務所から物流業者をご紹介の上で進めることも可能です。